八月に入院した時、同室だったＹさんから電話があった。

一週間程前に、私が電話をかけた。
退院してからどうしているのか気になったからだ。

Ｙさんのご主人は肺の病気で酸素が必要な生活だ。
入院している時から、呼吸が苦しそうでそのつど酸素の量を
調節していた。

夫の退院より3日ほど早く他の病院に転院していった。

そのときＹさんは「なんも良くなっておりゃせんのに、退院なんて
死ねと言うことたい」と憤慨していた。

転院してからまた再入院して、11月からは自宅で介護しているという。

私も年だけれど、Ｙさんはもう少し年上で、私より小柄だ。
ご主人もやせて細かったけれど、それでも一人で介護するのは
ほんとに大変だと思う。

酸素の関係か、訪問入浴も受けられないという。

「な～んも食べんと、お酒ば飲みよるの」とＹさん。
「も～ほんなごつ、だめばい」

体に悪いと思っても本人が欲しいといえば仕方なく飲ませている
のだろう。

もうあまり先は長くないと医者から言われているらしい。

夫も年内持つかどうかと言われたが、年は越せそうだ。
食欲も少しだが出てきた。

介護はとても大変だ。
夫もＹさんのご主人も口が減らない人だから、Ｙさんの苦労は
よくわかる。

私も一人で頑張っているが、Ｙさんも一人で頑張っている。
どうか体に気をつけてと電話を切った。

インフルエンザの予防接種の予約を入れたら、金曜日の午前中の
予約が取れたが、夕べ病院から火曜日に一人キャンセルがあったので
どうですかという電話があった。
午前中ならということでお願いした。

お風呂から上がった時に、明日はいつものブラではまずいかな
とふと思った。

毎日洗って乾いたらつけるというのを繰り返してるので、2枚あれば
済む。
だいぶくたびれてきたので少しマシなのにしたほうがいいかなと。

朝になったらすっかり忘れて病院に行き、問診表を書いていざ注射
というときに「背中の音聞きますから」と言われた。

「あちゃ、やっぱ替えてくればよかった」と思っても後の祭り。
まぁ、開き直るのも早いけど・・・。

先生も前から聴診器を当てないのもすごい。


ブラ、そろそろ変え時かなぁ。

今日もまた一日過ぎた。

何度も夫に呼ばれ、買い物に行って帰ってきたら「遅い」と怒られた。

挙句の果てに「冷たい女だ」

そりゃそうです。
誰がこんな風にしたの？

やさしく出来ないのには訳があります。
いまさら言ったって今の夫にはわかるはずもないけど。

そんな風でも私なりに頑張っているんだよ。
当たり前なんて思っているうちはやさしくしてあげないよ。

最近、夜中のオムツ替えの後は「ありがと」と言ってくれるように
なった。

なんとか、なんとか優しくしたいけど、胸の中がすっきりとしないの。

もともと私は、そっけない人だから妙に優しくなったら返って心配だよね。

このところ夫が私を呼ぶ回数か増えた。

隣の居間にいつも居るのに、寂しいからそばに居てほしいという。

私は家の中の事や、他にもやりたい事は沢山あるのに、しょっちゅう
呼ばれていては何にも出来ない。

ベッドのそばに椅子を置いてすわり、夫の手を握り何を話す訳でもなく
そばにいるだけ。

しばらくすると「もういいよ」と言う。
またすぐに「お～い」

洗濯を干しに出たり、トイレに入ったり二階に上がっている時に限って
呼ぶ。
すぐに行かないと機嫌が悪い。
トイレに行くのも断わらなければいけないのか。

買い物だって、行き先と時間を見えるところに張って出かける。

帰りの時間よりはいつも早めに帰るのに、「遅い」と怒られる。

買い物だって1時間が限度だから（家を出てから帰るまで）そそくさ
と済ませて帰らなければならない。

たまにはゆっくり買い物もしたいよ。

結局なにも出来ないからテレビを見てすごす。

またいい場面のときに限って呼ぶんだよな。

訪問看護士は預けることも考えたらと言うが、預けた先で「おい、おい」
言っているのも可哀想だし。

回復する見込みがないだけにお互い辛いものがある。

いつも行くスーパーでシフォンケーキを売っていた。
4分の１切れで300円。
丸ごと買うと1200円。

自分で作ってみようかという気になった。
型はどこかに仕舞ってあるはず。

家に帰ってレシピの載っている本を探す。

本は17㎝の型と20㎝の型で作る場合が載っている。
私の持っている型は18㎝。

卵6個にしようか4個にしようか。
あふれても困るので4個で作ることにした。

卵黄と卵白に分けて、卵黄は牛乳とサラダ油、小麦粉を混ぜておく。

卵白は角が立つくらい硬く泡立てる。
ボールを逆さにしても落ちない硬さだ。

両方を混ぜ合わせて型にいれ、オーブンで30分弱焼くと出来上がり。

なかなかうまく焼けた。
型ごと逆さまにして、完全に冷めるまで置いておく。
冷めたら、竹串で型から外す。

ふわふわのケーキができた。
売っているのよりは少し小ぶりだけど、味はグーだ。

息子たちがきて、おいしいと言って食べてくれた。
これが嬉しいんだよね。

また作っちゃおう。単純なブタコ。

1200円は得した気分。

先週の火曜日までは、食欲も増えたかと思うくらい食べてくれていた。

それが火曜日の夕食から「今まで食べ過ぎた、今日は食わん」といって食べずに
寝てしまった。

それからまた以前のように食欲が少なくなってきた。

一日ベッドで大人しくしているが、私を呼ぶ回数が増えた。
「どうしたの」
「特に用事は無いけど、此処にいてよ」
「どうしたの？」
「寂しいから側にいてよ」と手を差し出す。
ベッドの脇に椅子を持って来て座り、手を握る。
何を話すのでもないがそうやって居ると安心するらしい。

暫くすると「もういいよ」という。

また少し経つと「おかあさん」と呼ぶ。
寂しいから側にいてという。

一日に何回繰り返すだろう。

洗濯物を干しに外に出ると「お～い」
トイレに入ると「お～い」
食器洗いをしてても、掃除機を掛けていても「お～い」

直ぐに行かないと機嫌が悪くなる。

もう私のしたい事は何も出来なくなった。

夜、夫が寝た後が唯一の私の時間。
でも何もする気が起こらず、だらだらとテレビをみてしまう。

今日、早速Ｓ君から名簿が送られてきた。

物故者の一覧を見ていて、思わず息が止まった。
あの彼がもう11年も前に亡くなっていたのだ。

遠い都会に住んでいたから、風の便りも届かなかったのか・・・

夫と結婚していなければ、彼と一緒になっていただろう。

でも私は夫を選んだ。
楽しい事も沢山あったが辛い事や悲しい事もまた沢山あった。

夫と結婚した事を悔やんだ事はあっても、彼と一緒にならなかった事を
悔やんだ事は一度も無い。
夫は私を必要としていたが、彼は私でなくても良いと勝手に決めて・・・

中学を卒業して30年目の同年会に出席した事がある。
珍しく夫も許可してくれたのだ。

彼も出席していた。
25年ぶりの再会だろうか。

笑って話している私達がいた。
いつもバッグに入れている家族で写した写真を彼に見せたら「貰っていい？」
といった。

彼が独身だと言うのを聞いて、うぬぼれかもしれないが胸が痛んだ。

そういえばあの時の彼は凄く痩せていた。
あの頃から具合が悪かったのだろうか。

あの時会えて、話が出来てほんとに良かった。

でももうこの世にいないというのはとても切ない。

心の中で、いつも幸せを願っていたのに。

我が家の電話は着信の番号がわかるようにしてある。

非通知やフリーダイヤルは、セールスがほとんどなので
出ないことにしている。

10時頃見慣れない番号の電話が掛かってきた。
出ようか止めようか迷ったが、受話器を取った。

「もしもし、ブタコさんのお宅ですか？」
「は、はいそうですが・・・」
「僕、中学の三年一組で一緒だったＳですが、判る？」
「えっ、あ～あ、は、はい」私の頭は混乱する。
「この間同年会あっでしょ。ブタコさん来なかったから皆どうしてるかな
って話してたの。元気にしてる？」
「あ～ありがとう。私は元気なんだけど、主人が調子が悪くて欠席したの」
「そう～この年になるとみんないろいろ有るんだよ。僕だってガンで4回も
手術したんだよ」
「まぁ～大変たったんだね。大丈夫なの？」
「今はね。一組は沢山出てきたんだよ。25人も。だから一組だけでクラス会
やろうかと言う話が出てるの。ブタコさんも出れるといいね。一回も出たこと
無いんじゃないの？」
「45の時に一度出てる」
「そんな昔の話。もう皆何があってもおかしくない年頃だから、今までは
五年に一回だったけど、最近は三年になってる。でれるといいね」
「そ～だね。」

途中でＳ君のことを思い出した。

一寸ユニークな男の子だったな。
年賀状はいつも1月7日の日にちで来たっけ。

懐かしいな～。会いたいな～。

この年だと亡くなった人もいるとか。
同じクラスでも3～4人の名前を教えてくれた。

割と仲の良かったＭさんも亡くなっていたなんて。

2組は17人も亡くなっているとか。
私の初恋の彼のこと､元気か聞いてみたかったけど、聞けなかった。

ＮＨＫで放送されて、読んで見たくなり、ネットで注文。

夫から妻へ、妻から夫への文字どうりラブレター。

なかなか口に出していえないから、書いたんだね。

どれもお互いを思いやる、いい夫婦の手紙。

それに比べて私達は・・・。

思いやりや優しさ、どっかに置き忘れてきてしまった。

何処に置いてきたか思い出せないよ。

今から作ればいいのかもしれないけど・・・。

寝たきりになった夫の事を思うと、可哀想で涙が溢れてくるけど
胸の中でくすぶってるいろんな思いが、素直にさせてくれない。

どうしようもない私だ。

先回の失敗パンのリベンジ。

今日は少し量をふやして作ってみる。

バターも多めに。

こねる時は先回と同じ感触。

1時醗酵もまずまず。

成型して醗酵させる時間を少し長くしてみた。
いい感じに膨らんできた。

今日は何とかバターロールらしく出来た。

今日は15個できた。

8個は冷凍しておくとしても、7個のうち夫はせいぜい2個。

後は私？
3キロ痩せたけど、直ぐ戻りそう。

夜な夜なパン生地をこねてる私って、変？

夕方夫に「明日の朝、食べるパンを買ってきてもいい？」と言うと
「今ごろから出かけるな」と言う。
パン屋は家から１５０Ｍくらいのところなのに・・・。

明日の朝どうしよう。
ご飯でもいいのだけど、夫は朝早くから飯と言うに決まっている。

仕方ない、作ろう。

何年かぶりくらいにパンを作る気持ちになった。

とりあえず２００ｇでやってみよう。
材料は全て家に揃っている。

粉、イースト、卵、砂糖、塩、バター、ぬるま湯。
バターを除く材料をあわせてこねる、たたく。

オーブンの醗酵機能を使って1時醗酵を1時間。

40グラムずつ計って、10分ベンチタイム。

成型して、2時醗酵。

なんかイマイチふくらみが悪い。

卵液を塗ってオーブンで焼く。

う～ん、今日のは失敗かも。

表面が固く、ふくらみもわるい。

時間をケチったかな。

バターロールを作ったつもりが、フランスパンロールだよ。

やはり3～4年のブランクは大きいなぁ。

子どもが小さい時はよく作った。
１キロくらい焼いてもあっという間に食べちゃったよな。

２００ｇで8個のロールパンが出来た。

味はまぁまぁなんだけど・・・。
固い（泣）

今日は診察日。
12時10分の予約で、血液とレントゲン受けるので1時間前には
つかないといけない。

余裕をみて、介護タクシーを10時45分に頼んでおいた。

先に一階のレントゲン室にいく。
今の夫は座るのも難しいので、寝たままでレントゲンを受ける。

次に二階に行き、血液を採るのだがリクライニングの車椅子は長いので
採血室ではなく、処置室で採ってもらう。

そのまま診察の時間までベッドに寝かせてもらうのが何時ものパターン。

先生がベッドまできて診察をしてくれる。
血液検査の結果は今までと余り変わらないといわれた。
食欲ないし、飲まないからオシッコもあまり出ないのだが・・・

胸に溜まっている水の量が増えたので、今日は水を抜くといわれた。

脇の下の少ししたから針を刺し管をつける。

麻酔をしたとは言え痛そうだ。
８００ｃｃの水を取った。

最近は大人しく寝ている事が多い。
特に用がなくても私を呼ぶ回数も増えた。
そばにいて欲しいらしい。

私はマンガが好きだ。

何巻も続く長いのは読まない。
読みきりが多い。

最近は、ネットで注文して、コンビニで受け取る事が出来るので助かる。

今は自分が自由に外出できる時間が無い。
せいぜい1時間位だから、食料を買うだけで終わってしまう。

最近は「おかめ日和」を読んでいる。
タイトルで主人公のキャラクターは想像できたが、とても面白い。

平凡な主婦の日常（？）
短気で切れやすいがいい男の夫と、太めでおおらかで夫のことが大好きな妻。

何を言われても夫に逆らわない。

毎日、夫に怒られ、怒鳴られてもそれが普通の生活。
夫が静かだとどこか悪いのかと心配してしまう。

私の夫も短気でよく怒る。
私はおおらかではないから、ああいえばこう言うで喧嘩が絶えない。

どうしたら、おおらかに笑い飛ばせるのだろう。

頭の中では、こう言わなければというのは判る。
それを意識すると益々、反対の言葉が出てくるからどうしようもない。

もしかして､夫に対する、愛情の度合いの違いと言うのがあるのかも？

娘から「子どもが出来たかも」とＴＥＬがあった。

あらまぁ。

来年には8人目の孫が誕生するのか。

日記を書き始めた時は5人だったのに、長男の所に双子が産まれ、

一気に7人の孫のバアバになったと思っていたら・・・

兎に角、無事に産まれてくれれば何にも言う事は無い。

気がかりは、夫の事。

娘は3人目だし、上の子が保育園に通っているので里帰りはしないという。

ということは私が行かなければならないが。

夫を連れて行くことは無理だし、姑さんにお願いする事になるだろう。

つわりで苦しんでも、娘の為に何にも出来ないのは歯がゆいが仕方ない。

無事で生まれる事を祈ろう。

今年ももう2月を残すばかりになった。

8月20日に退院してから、2ヶ月余り。

出かけるのは近くのスーパー、薬局、病院だけ。

季節の便りも､ニュースも通り過ぎてゆくだけ。

ここ数日、夫の元気が無い。
食欲も減ってきた。

毎日、うつらうつらとしている。

夫との意味不明な会話にも疲れ、ストレスもピークだ。

昼頃、いつも車の事で世話になっているデーラーの担当のＦさんが来た。

「近くに来たもので」
「お父さんにも会って行って」

以前からＦさんの奥さんのお父さんが末期のガンで自宅で闘病していると
聞いていた。

治療を全て拒否して、自宅で過ごすことを選んだそうだ。

私「お父さん、Ｆさんだよ」
Ｆ「お加減は如何ですか？」
夫「あまり、良くない。今度、車を買うときはＡ社にするつもり」
私「お父さん、何行ってるの（汗）」
Ｆ・・苦笑い

帰り際に
「奥さんのお父さんの具合はどうですか？」と聞くと
「先日、亡くなりました。」
「最後は病院に入られたのですか？」
「いいえ、最後まで家で過ごしました」
「そうですか。ご愁傷様です」

ふっと夫の最後が頭を過ぎる。

先生は、今年一杯持つかどうかと言ったけど・・・。

大丈夫だよ。私とバトルしているうちは。

優しくなってきたらヤバイけど。

私はよく怪我をする。

スライサーで親指の先をスライスするし、包丁で野菜を切れば指もついでに切る。

私の手にはバンドエイドが欠かせない。

今日は、ハンカチにアイロンをかけていたら、膝にアイロンが・・・

「あちっ」と思ったら見る間に赤くなってきた。

慌てて氷をハンカチに包み膝を冷やした。
ピリピリと痛くなって来た。

今日は月に1度、整形外科で膝に注射をする日だ。
火傷した所が擦れると痛いので、ガーゼをあててサージカルテープで止めて
整形外科に行く。

「どーしたんですか」と看護師に聞かれ「足にアイロンかけちゃったんです」
先生にも気をつけなきゃと言われてしまった。

ついでに消毒をしてくれた。

先生が「水ぶくれができるかも知れないよ。今週中にまた見せにきて」と言った。

相変わらずヒリヒリと痛い。

夕方になって「あれ？痛くない」
見ると赤くなっているが水ぶくれができるような気配は無い。

もしかして、大丈夫かも。

この間の親指の傷がやっと治ったと思ったらまた火傷。

生傷の絶えない私だ。

今日も夫の足がパンパンに腫れている。

昨夜夫の兄嫁から電話があり、今日見舞いに来ると言う。

何かお茶菓子をと冷蔵庫を見たら2日前に買った栗があった。
栗きんとんを作ろう。

栗をゆでて、実をスプーンで取り出し、砂糖を少し入れて滑らかになるまで
フードプロセッサーにかける。
固さを見て、大さじ一杯くらいの湯を足して、かき混ぜる。

ラップにつつんで茶巾に搾り出来上がり。
味もまぁまぁじゃん。

栗きんとんって買うと凄く高い。
あんなに小さくても1個200円はする。

今日は1袋298円の栗と、砂糖で10個出来た。

買えば2000円。なんか得した気分。

引っ越した娘は栗きんとんが大好き。
この間娘が来た時も作ったがあれはイマイチ。（練が甘かった）
今日のを食べさせてあげたかったな。

今日の栗きんとんは、我ながら良い出来だと自画自賛。

兄嫁も「美味しかった、忙しいのによく作るね」
と言ってくれた。

お世辞にしても嬉しい。

私ってその気になれば行動は早いのです＾＾。

昨日の午後から様子がおかしい。
寝てばかりいる。
声を掛けると薄目を開け、「うるさい」と怒る。
夕食もいらないと言う。

今朝、オムツを替えようとして左の足がパンパンに腫れているのに気が付いた。
色も紫がかっている。

9時になるのを待って、訪問看護士に電話する。
すぐに来てくれた。
あまり身体を動かさないので血液の循環が悪くなっているのではと言われた。
診察を受けたほうがいいと言うので病院に電話をして、何処の科を受診すれば
いいのか聞いたら、主治医付きの看護士から救急外来を受診するように連絡
があった。

主治医は今日から学会で一週間いないという。

救急外来に予約をいれ、介護タクシーの電話をして来て貰った。

病院で受付を済ませると直ぐに呼ばれた。
エコーで見ると血液の流れが悪く、固まっているところもあると言う。
血液をサラサラにする薬も有るが副作用のことを考えると薦められないと言わ
れた。

気をつけないと塊が肺や心臓に行くと呼吸困難などを引き起こすという。

「入院されてもいいですよ」と言われたが、夫が「帰る」というので入院はせず
家に帰る事にした。

何か変化があったら直ぐに病院の方に来るようにいわれた。
大丈夫なのだろうか。

どちらにしても悪いのには違いない。

「足の腫れは引くのでしょうか？」
「たぶんそのままです」

訪問看護士に診察の結果を報告すると、月曜日に様子を見に来てくれるという。
火曜日には入浴もあるので、それも利用できるか聞かないといけない。

薬は今まで貰っている痛み止めを飲んでくださいと言われた。

家に連れて帰るのは不安だが、仕方ない。
何も起こらないように祈ろう。

水曜日は訪問介護士が来る日だ。

さすがにプロ、受け答えがうまい。

否定してはいけないと言うが、私はついつい否定してしまう。

居間で看護士と話をしていたら、変な音がする。
夫の寝ている部屋に行くと、夫がベッドから落ちて、動けないでいる。

二人掛りでベッドに戻す。

「ベッドを一番低くして、シーツがあったら持って来てください。
ベッドの柵も後二つ追加で頼んでください」

シーツを持って行くと「これからも落ちる可能性があるので、一寸くくって
おきます」
といって夫の肩にシーツを巻き、ベッドに固定してしまった。

見ていると夫が哀れだ。
そのままだとまたベッドから落ちて、骨折等し兼ねない。

座ったり歩いたりは出来ないが、体はよく動くのだ。

ベッドから５０センチ位のところに障子があるが寝たまま足でどんどん
押して、障子が穴だらけだ。

足は動くので足だけベッドの下に付け、身体は言う事を利かないので、ずり落ちたのだ。

食事の時ベッドを起こそうとしたら、くくってあるシーツが邪魔で起こせない。
食事も出来無いので、シーツは外した。

相変わらず足はベッドの下につけて起きようとするが、無理だとわかったのか
途中で諦めたようだ。

今日もハイな夫は、今も一人で誰かと喋っている。
会社で仕事でもしているのか・・・